なぜジャベールが好きなのか 〜レミゼ大阪千秋楽を通して感じたこと〜
ふと思いました。
なぜ自分はジャベールが好きなのだろうかと。
多分ですが、
規律を守るタイプの人間でジャベールの生き方の方が感情移入してしまうから、と思いました。
バルジャンに影響されて自我崩壊にいたるジャベール。これは融通の効かないガンコ真面目人間の行き着く先なんじゃないのかなって思っちゃいます。
業種にもよりますが、バルジャンの様に人の気持ちに寄り添ったり、テナルディエの様にずる賢く生きたりしないと、世の中を上手く渡りきることが出来ないのかな、と思います。
(バルジャンもテナルディエも、最後まで生き残りますしね)
自分は融通が効かない機械処理タイプなので、バルジャンがことごとく法律違反や約束破棄する姿に苛立たちます。
(仮出獄中に行方をくらます、偽名で生活する、コゼットを迎えに3日の猶予を!←守ってないよ!)
もちろん、そうならざるを得ない環境(農場や宿屋で追い払われる、だれがコゼットの面倒を見る?)は分かるのですが、分かるのですが!
現代社会に汚れきった、自分のような人間はどうしても心に引っかかるものがあります。
この心の引っ掛かりを解消してくれるのがジャベールなんだと思います。ジャベールはバルジャンの人情的な部分を徹底的に無視します。
法のもと、ただただバルジャンが規則からはずれた「悪人」として処理しようとします。
自分の管理から逃れ、追い詰めて逃し、自らの人生の汚点となった悪人バルジャンを捕まえ成敗することこそ我が人生の誉れ、と言わんばかりのソロソング「星よ」
ジャベールのような生き方をすると、
人の人情や義理・愛に触れたときや、固定概念が崩れるとにこうなるよ、と教えてくれているんじゃないのかなと思います。
ジャベールが愛と許しに触れる機会があれば…
せめて若い時に触れていれば自殺なんかして自ら地獄に落ちることなんかしなかったのでは?
と思わずにはいられません。。
(キリスト教では自殺は地獄行きと言われてますしね。)
だから私は、
規律を重んじる性格だからこそ、
愛と許しをもって接しなければ、
ジャベールように地獄に落ちるぞ、
と劇を見るたびに思わずにはいられません。
バルジャンに対する心の引っ掛かりを覚えたものほど、ジャベールに感情移入してしまうのかな、なんて思いました。
大阪の千秋楽公演を、
職務の奴隷な状態で観たので、そう思ってしまいました。
そして、公式ブログで紹介された、大阪落日の特別カーテンコールでの吉原さん発言に涙。
ハグしてくれる人がいるから、がんばれる。
ハグしてくれる人がいるから、私はその人を大切にしないといけない。
ハグしてくれる人がいるから、私は愛されている。
ないがしろにしないで生きなきゃと、ジャベールとバルバシャンにレミゼを通して、さとされていると感じました。